住職のショートショート:エピソード19「ボランティアの出来事「遊んでるのか!?」」

ボランティアの出来事「遊んでるのか!?」

阪神・淡路大震災の後。
ある檀家様に「一度行って来られた方が良いですよ!」とアドバイスされ、神戸にボランティアに行きました。

私はその当時、仏教を学ぶ、あるグループに所属していました。
その仲間と共に、六甲小学校に行くことになりました。
電車は阪神御影までで、そこから徒歩で向かいました。
途中の景色に、私はうろたえました。初めて目にした物でした。
家が崩れているし、ビルも斜めになっていて、道をまっすぐに歩くのにとても苦労しました。
また臭いがなんとも言えないものでした。

現地では、20歳くらいの若いボランティアリーダーに、いろいろ指示を受けました。
結局、最初の日は何をして良いかわからずに、校舎内を歩き回って終わりました。
次に行った時は、身内を亡くされた方々とお話して供養をすることになりました。
大阪に帰ってから反省会を持ちました。
炊き出しだったら沢山の人が来てくれたが、今回は少ししか来てくださらなかったのは失敗だったという意見が有りました。
私は少しであっても喜んでいただけたことに、達成感が有りました。
また、私が子どもとバスケットするのを見た人から「ボランティアに来て楽しんでいるのか!」という、とても批判的な意見にも出遇いました。

ボランティアで楽しくする事はいけない事(罪)なのか?
以前、小学生の女の子と卓球をして「手を抜いてわざと勝たせたらゆるさないから!」と言われたことを、私は思い出していました。
私は、被災地に出向いてのボランティアはもちろん、地元においても日ごろから、
困っている人々に手を差し伸べる事は大切だとその体験から思うようになりました。

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viharajjj@yahoo.co.jp まで

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