住職のショートショート:エピソード17 「公園デビュー」

公園デビュー

私の子どもをどこで遊ばせようと、考えていました。
ちょうど誰もいない公園が有りました。
それもそのはず、草がボウボウと生えてます。砂場には、犬の糞が有ります。
子どもは気にせずジャングルジムや滑り台で楽しんでいました。

私は、次の日からスコップを持って子どもが遊んでいる間に、草引きと犬の糞の始末をしていました。ほんとうに微々たる事ですが、毎日続いて行きました。

するとそれを見て、一人が私の手伝いをしてくれました
その方は初めての人にも話しかけて、友達も増えていきました。

掃除の人数が多くなり、だんだんと公園から雑草がなくなって、他の子ども達も遊びに来るようになりました。
ある日、子どもを連れたお母さんが、
「自分の子どもが何歳になれば公園デビューして良いかわからなかったのですが、
あなたの子どもが遊んでいるのを見て、勇気が出ました。ありがとうございました。」
と感謝されました。

私は公園に行くのに年齢制限などあるとは思わなかったので、とても驚きました。
ほとんどがママと子どもばかりで、私は「掟破りパパ」だったかもしれません。
しかしながら、私は感謝されて気分良くしていました。

ところが雑貨屋さんのおばちゃんに、
「住職が公園を綺麗にするから、犬の散歩がやりづらくなったと、うちに苦情がきてる。」
と言われてしまいました。

思わぬクレームに私は驚きました。
立場が異なると、見える世界が随分と違うと知らされました。
今日もその公演の前を通り、懐かしく思い出しています。

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