努力は報われる(後編)
(前編はこちら)
はたして試合でまさにその場面がやって来ました。
私は集中して見事に決まり、トーナメントに勝ち上がりました。
ダブルス(2人)の試合です。
実力は、私のパートナーは1.5、私は0.5くらいでした。
合わせて、2人で2というところでした。
試合では、うまく歯車が噛み合って、2人で5くらいの力が出たように思います。
試合中は、お互い特に話をしなかったですが、気持ちは通じ合っていました。
ピンチの時もチャンスの時も、冷静に試合に集中して行きました。
いつのまにか、ファイナル(決勝)でした。
私は汗をかいたので、着替えに行きました。
そこでビル・ロング(故人)というアメリカ人のプレーヤーに
「今日はどうやった?」と質問されました。
私は「これからファイルやよ!」と答えると、
「おぉ!君がここまで来るのをずっと待っていたよ!私は側にいるよ!」
と声をかけてくれました。有難い言葉でした。
彼は決勝のコーラー(審判)でした。
対戦相手は惜しいところで外しています。
チャンスが巡って来ました。
もしパートナーが外せば、必ず次に決めようと私は集中していました。
パートナーの矢が放たれました。
美しい軌道を描いて、目標に突き刺さり、試合は終わりました。
「ゲームショット!」ビルの声が響きました。
とても私はラッキーでした。
「努力が報われた」と言える程のことはしていません。
ダーツ競技は原則、性別、年齢に拘らずハンディキャップは有りません。
これからも、生きていれば、90歳くらいまで続けていきたいと考えています。
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